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2014年01月

2014/01/10

明晰夢

ミナは、生れは東京だったが、関西の私立大学で語学の非常勤講師をしていた。ミッション系の大学で、教えていたのは英語とラテン語だった。ラテン語は、週一回だけであとは英語だった。

住まいのマンションから大学までは二駅で、ローンで購入した中古マンションで暮らしていた。大学は夏休みに入っていたので、授業時間から解放され、好きな本を読んでいた。もっとも、2週間ほどは前期試験の採点にかかりきりだったが。

そうしたミナが始めたのは、体外離脱だった。夏休み中に出来るかどうかは別にして、自らの奥にある世界を覗いてみたいと思ったのがきっかけだった。それというのは、よく夢をみる習慣があったからだった。

夢の中で、これは夢なんだからと思いながら見る夢がときどきあり、不思議というか、奇妙だったりすることから、目覚めてから、どういうことなのか、としばらく考え込むこともあった。

そうした折、5歳の頃に見た不思議な光のことを思い出していた。

あれは、夢ではなかった。高知の母の郷里に行った時、たぶん夏の夕方だった。西空のそう遠くない所を球形の光る物体が高速で移動して行き、ふっと見えなくなり、次に、前よりずっと下の空に現れ、2、3秒後に完全に見えなくなった。山の向こうへ行ったのか、雲に隠れたのかは分からなかったが、何かくるくると回っているようにも思えた。

ふだんはまったく忘れていたが、ときどき妙な夢をみると、その光る物体のことを遠くの方で思い出した。

何か、関係があるのだろうか、と思っていた時、ミナはネット上でアストラル界という言葉に出合った。

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2014/01/14

明晰夢

数日後、その日は真夏にしては過ごしやすい気温だった。

遅めの昼食の後片づけをすませ、ミナは長いソファに身体を横たえた。集中してやった採点作業の疲れが遅れてやって来たのか、ミナは、すとんと深い眠りに落ちていった。

どれくらいそうしていただろうか、目覚めた時は日常に帰った状態だった。トイレに立ち、戻ってきてふたたびソファに横になった。背中にうっすらと汗をかいていたが、クーラーをつけるほどではなかった。外は曇り空でいくぶん暗かった。

目をつぶり、2分もしないうちに身体が左右に少し揺れ始めたかと思うと、今度は上下に揺れ始め、身体から自分が抜け出して行くのが分かった。

これだな、とミナは思い、望んだ世界へ行こうと願った。

すると、ソファの上からさらに上へと上がっていき、次には窓ガラスを抜けて上昇して行った。

どれくらい昇って行っただろうか。ミナは上体を起こして前を見た。

あっ、と一瞬静止したままの状態が続いた。そこには、平べったい球体が浮かんでいて、中に誰かがいた。人間とはちょっと違うが、大きな目の生き物が並んで座っていた。

「どうしたんだ、遊びに来たのか?」大きな目の生き物がミナに訊いてきた。

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2014/01/19

明晰夢

ミナは、「ちょっとだけ気分転換に空中浮遊をしてみたかっただけ。すぐ帰るから」と言った。

「そうか」と、目の大きな二人のエイリアンはミナを見た。ミナはエイリアンによるアブダクションのことを知っていたから、それ以上近づかない方が良いと、戻る、と自らに言った。

「ほんとうに、体外離脱の世界でエイリアンに会えるなんて」ミナは、ゆっくりとソファから立ち上がった。

別の空間にふだん彼らはいるのだろうか。いや、3次元にもいることが出来るし、別の次元にも移動できる。私たちは、通常この次元だけで生活していて、そのことに疑問を抱いていない。この地球にいくつもの空間があっても、別の空間は見えないから、それだけだと思っている。しかし、4次元とか5次元で生きている生命体は、私たち3次元の世界は見えるのだろう。

雲間から夏の太陽が顔を出し、室内が急に明るくなった。太陽の光と発光体のように輝いて見える時のUFOの光とは何か関係があるのだろうかと思う。土星の輪の中には、巨大なスペースシップが3機あるとどこかの物理学者が言っていたことが浮かび、太陽は巨大なUFOで中に住んでいる者がいる、とネットで誰かが書いていたことを思い出す。

表は少し暑いだろうから、午後3時半を回った頃マンションの外を歩きたいとミナは思った。ミナのマンションから徒歩で10分ほど行くと公園があった。常緑樹もそれなりにあったから木陰もあるだろう。園内にはベンチも多くあったし、子供たち用の遊具も砂場もあった。トイレもあったし、親子ずれの来園者はいるだろうが、私が座るベンチがあるかもしれない。

それにしても、ネットで、半年前に購入した「体外離脱する方法」というCDを購入して手つかずでいたが、夏季休暇で実践してそんなにも簡単にUFOに乗っているエイリアンに会えたことは驚きだった。

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2014/01/21

明晰夢

ミナがゆっくり歩いて公園に着いた時は、午後4時半になるところだった。

陽は雲にさえぎられていたが、滑り台や砂場や遊具にも、常緑樹の下のベンチにも人の姿はなかった。

ベンチに座っていると、ミナの膝から下が明るくなった。見上げると、雲間から太陽が顔を出していた。

それにしても、子供たちも夏休みのはずなのに誰もいないなんて。ミナは、砂場の横に落ちているユリノキの葉を拾いに立った。まだ青いのに、と見上げると遅咲きの花が咲いている。

と、その時だった。ミナの眼前に、何か鳥居のような色とりどりの光の窓が現れた。

あれ? ミナは引かれるようにその鳥居のような光の窓に歩み寄った。

次の瞬間、ミナは足元に三つの円が描かれている所に立っていた。こげ茶色に塗られたその円は合わせて直径3メートルほどもあった。

ここはどこ?

「出雲大社」という声がどこからともなく聞こえてきた。

出雲大社?

「「ここは、そのむかし、出雲の本殿が建っていたところ。足元の円は3本ひと組の柱があった所」

どうして、ここに? 私は、あの光の鳥居のような窓を見て、そして、ここへ・・。

出雲大社の社伝に、古代出雲の本殿の高さは100メートル近くあったといわれてる、ということをミナは読んだことがあった。そして、出雲大社から発見された大きな甕のような器には、空中神殿とも思われる建造物のそばに宇宙人が描かれ、上空にはUFOのような物体も描かれていた。

ミナの足元に目をやりながら、側を参拝客が通り過ぎて行ったが、ミナは、かつての柱跡マークの上に立ったまま本殿の方を見上げていた。

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2014/01/25

明晰夢

突然の瞬間移動にもかかわらず、いろんなことが私の身に起きるのには何かわけがあるに違いない、とミナは思った。

それにしても、ここまでやって来てこのまま帰るというわけにはいかない・・。平成の出雲大社遷宮のことは聞いていたが、実際来たのは初めてだった。何かわけがあるのなら、と、ミナは、出雲大社の境内を最初から歩いてみようと思った。

大国主命のことが頭に浮かび、気付くと、いなばの白ウサギの話に関係した「御慈愛の御神像」の前に立っていた。
「大国主命が背負われている袋には、私たちの苦難や悩みが入っていて、大国主命が私たちの代わりに背負っておられる」と記された文字を追っていた。

大国主命って、たくさんの別名を持っているけれど、人と人の良縁を結んでくれる神様でもあったのでは?

私の場合はどうなるのだろう? 願えば叶えられるのだろうか。そうしたことを思いつつ、ミナは、手水舎に向かう参拝客の流れに従った。

タイミング良く前の人が立ち去ったすぐ後の場所で、ミナはひしゃくを手にした。

水をすくい、左手を洗い次に右手を洗ってひしゃくを持ちかえ、左の手のひらに水を受け口をすすいだ。最後にひしゃくを立てて柄の部分をきよめてひしゃくを置いた。その動作は子供のころ親から教わり、いくつかの神社でそれまでいくども経験があった。

御仮殿の前に立った。すっかり忘れていたが、たすき掛けにしていた小さなバッグに財布があった。巨大な蛇がとぐろを巻いているような注連縄を見上げ、二拝四拍手一拝。

素鵞社(そがのやしろ)に立ち寄り、全国の神さまが泊まるという十九社の長い建物の横を歩いた。そのときは、出雲では神在月で全国では神無月。旧暦の10月。

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2014/01/26

明晰夢

本殿と境内の摂社・末社は、平成大遷宮の修造工事中のため、直接本殿には立ち寄れなかったが、御仮殿の注連縄よりさらに大きな注連縄がある神楽殿、そしてミナは最後に古代歴史博物館にいった。

そこには、空中神殿の模型や本殿の近くから発掘された直径約1.35メートルの杉の柱を3本ひと組で束ねた柱根の実物が展示されていた。

ミナが表へ出た時だった。

「ご希望ならば自宅まで送ってあげる」という知らせがどこからともなくミナに届いた。

エイリアン。ミナは直感した。私がここに来たことが分かっているということは、あの瞬間移動に彼らが関わっていたのだろうか。

ミナは上空に目をやった。あちこちに雲が散らばっていたが確認するのに困難な明るさではなかった。雲の陰に隠れているか、防御スクリーンでUFOを覆っているに違いない。

「電車で帰るから放っておいて」ミナは上空を見上げたまま心で叫んだ。

「分かった」すぐに応えがかえってきた。

夏季休暇中でもあるし、どこかのホテルで食事して、翌日電車で帰ろうと思った。

それにして、どういうこと? UFOやエイリアンには以前から興味があったけど、体外離脱でUFOに乗ったエイリアンを見てからこんなことが起こるなんて。

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