世界の向こうー桜の下でー
春利は父の口元と目に注視して聞いていた。
「父さん、そんなことがあったんだ」
「幻覚とかそんなんではないと思うんだ」
「僕も、そう思う。もしかして、来未は・・」
「もしかしてって?」
「変に思われるかもしれないけど」
「いや、親子なんだから、何を聞いても・・」
「あの、エイリアンが、別の世界に行った来未に」
「シャンハイにいた春利に意思を伝えてきたという、エイリアンのことかい?」
「そう。あのエイリアンが、父さんのいる場所を教えたのかもしれない」
「それも、不思議な話だね。津波で亡くなったと思われる人を連れて来るなんて」
「僕には、早乙女さんという僕より年上の女性で大学の講師をしている友達がいて、その人が言うには、震災後、来未と友達の春海さんという、やはり津波に呑みこまれたと思われる女性に、その、別の世界で会ったというんだ」
「そのこととエイリアンとは」
「そう。そのことを早乙女さんに知らせたり手引きしたりしたのは、同じエイリアンではないかと」
「それは、ちょっと信じられないような話だが、別の空間があり、彼らがそこと我われの暮らす世界を自由に行き来できる存在だとしたら」
「父さんも、そういうことを考えられるんだ」
「うん、別の空間というか次元というか、我われ一般人が出来ないことを彼らは出来るのかもしれないと」
「父さん!」
春利の背中を不思議な感動が走り抜けた。
To Be Continued
Sponsored Links「父さん、そんなことがあったんだ」
「幻覚とかそんなんではないと思うんだ」
「僕も、そう思う。もしかして、来未は・・」
「もしかしてって?」
「変に思われるかもしれないけど」
「いや、親子なんだから、何を聞いても・・」
「あの、エイリアンが、別の世界に行った来未に」
「シャンハイにいた春利に意思を伝えてきたという、エイリアンのことかい?」
「そう。あのエイリアンが、父さんのいる場所を教えたのかもしれない」
「それも、不思議な話だね。津波で亡くなったと思われる人を連れて来るなんて」
「僕には、早乙女さんという僕より年上の女性で大学の講師をしている友達がいて、その人が言うには、震災後、来未と友達の春海さんという、やはり津波に呑みこまれたと思われる女性に、その、別の世界で会ったというんだ」
「そのこととエイリアンとは」
「そう。そのことを早乙女さんに知らせたり手引きしたりしたのは、同じエイリアンではないかと」
「それは、ちょっと信じられないような話だが、別の空間があり、彼らがそこと我われの暮らす世界を自由に行き来できる存在だとしたら」
「父さんも、そういうことを考えられるんだ」
「うん、別の空間というか次元というか、我われ一般人が出来ないことを彼らは出来るのかもしれないと」
「父さん!」
春利の背中を不思議な感動が走り抜けた。
To Be Continued