eye

2017年05月

2017/05/05

縄文人のDNA ー古史古伝ー

「話しておきたかったことは、カナさんのこと」

春利が日曜の補講を終えた時間を見計らい、ミナからスマホに連絡が入った。
2時間以上前にメールで、ラインでの通話を望んできたので、春利は都合の良い時間を指定した。

「で、ミナさんは今どこから?」

「さくらださんじんじゃ、という所から帰るところよ」

「神社?」

「ええ。宮城県栗原市栗駒桜田、というところ」

「初めて聞いたけど、もしかして神社巡りを始めたの?」

「ええ。武烈天皇について調べたいと思って」

「それについてはまたの機会に。で、カナさんのこと、というのは?」

「ええ。カナさん、今どこにいると思う?」

「フィンランドに留学中のカナさんが、またどこかへ行ったの?」

「10月中旬の秋休みを利用して、地球外の惑星へ行っているのよ」

「えっ? 一人で・・」

「父上の渋江真佐雄博士とよ」

「ということは、金星か火星」

「火星よ」

「科学者の父上と一緒に、火星のどこへ?」

「火星にある人が住む地下都市」

「地下都市。具体的なことはまったく分からないけれど、どういう方法で?」

「渋江博士が利用しているスペースクラフトで」

「ミナさんには、そのマシンが見えているんだ」

「ええ」

To Be Continued

Sponsored Links
2017/05/16

縄文人のDNA ー古史古伝ー

日本書紀

「なんだか世界が大きく変わりつつあるというか、僕には不思議を通り過ぎているような感じだけど」

「そうかもしれないわ。私にとっても、これまで考えもしなかった宇宙の存在と出合うようになり、架け橋といってもテーマが大きすぎるというか」

「そのことと日本の神社とは何か関係があると・・。またの機会ではなく、ちょっと聞いておきたいな」

「この国では、とても大切なことが隠されているのかもしれないと思うわ」

「それは、もしかして、神様に関係があること?」

「ええ。この国では、例えば古事記にしても、神話として、書かれていることのすべてが、現実にはなかった世界のように思われているというか、そのように扱ってきたけれど・・」

「実際は、現実が隠されている・・」

「ええ。古代から戦前までは日本では神武天皇は実在とされてきたけれど、敗戦により神武天皇の存在が否定され、皇紀が廃止され神道指令により神社の弱体化が行われたわ。戦前・ 戦中の神道や軍事関係の書物がGHQによって没収され発刊禁止処分となったし、教科書から神武天皇の名前が半ば強制的に排除されたのね」

「日本書紀の、神武天皇即位の年を元年とする起源については話に聞いたくらいで疑問も持たなかったけど」

「そうでしょう。古事記のことだって神話、つまり、私たちにはあまり関係のない作り話としかとらえてこなかった。ましてやその前の時代のことは・・」

「確かに。神武天皇が実在したかしないかは置いておいても、当時呼び名は違っても、この日本という国に人が住んでいたのなら、当然その前の人間の歴史があったと考えるのが普通だよね」

「私が神社を訪ねているのはそのことに関係があるわ」

「武烈天皇という人も、キーマンの一人だと」

「ええ。古史古伝。消されてしまったこの国の歴史に」

「消されてしまった古史古伝に、天皇や神道が関わりがあったと・・」

「ええ」

To Be Continued

Sponsored Links
2017/05/29

奇妙な会話音

春利がミナとラインで話してから、行ってみようと思い立ったのは12月に入ってからだった。

シャンハイから帰国して会社を辞め、学習塾を始めたばかりと違い、教材の使い方や小中学生の父兄との接し方も勝手が分かった。入塾時に一番問題を生じそうな難関中学受験を希望する生徒の父兄が問合せて来た時は、受験専門の塾に行くようにすすめた。高校受験であっても、対応しきれない高校を目指している場合は、他の専門塾に行くよう勧めたことが正解だった。

春利一人で対応できる範囲だったから生徒数も限定されたが、生活して行くのには困らなかった。シャンハイから戻った頃は、ネットビジネスや中国語の仕事も考えたが、思うに、来未が震災で亡くなったことをきっかけに、春利はまったく想定外の世界に踏み込んでいた。

中3補講を土曜にすませた春利は、その日の朝おにぎりを作り横浜から京急で汐入まで行った。ミナが神社巡りをしていると聞き、春利も行かれる範囲の神社へ行って見ようと思うようになった。諏訪大神社にしたのは、父の郷里の諏訪大社の分霊(勧請)で建てたということからだった。

駅を出て6分ほどで急な石段が見えてきた。息を切らせて二つの狛犬を目にした時、日本のリサーチャーが、あれは門番の狛犬等ではなくバビロニアのエンキとエンリルだと言っていたのを思い出した。

再度石段を上がり、諏訪大社を思い出しながら参拝して、樹木の多い境内をゆっくりと見て回った。1380年三浦貞宗が横須賀の鎮守として信州諏訪の上下諏訪明神を勧請した。・・

ふと気づくと、目の前に狐とガマガエルのような顔の石像が春利の方を見ている。御祭神は健御名方命( たけみなかたのみこと )・事代主命 ( ことしろぬしのみこと )他と書かれていたが、眼前のこれもほんとうは神様なんだろうと手を合わせた。

そうしていると、春利はそこが広い公園に通じていることを知り、樹木がいっぱいのそちらへといつの間にか足が向かっていた。

諏訪公園にはあちこちに石碑があった。砲弾で撃ち抜かれたようなゆがんだ銅版がたっている所を横目で追いながら一休みしようかとベンチを探した。それにしても、昼前とは言え、日曜なのに人がいないのが意外だった。歩き回っているせいか、12月なのに少しも寒くなかった。

が、次の瞬間、春利は寒いものが背筋を走った。数十メートル先の樹木の方から奇妙な音が聞こえてきたからだった。人の話し声とは違っていた。立ち止って耳を澄ますと、何かの信号のようでいて、ある種の会話のようでもあった。

To Be Continued

Sponsored Links
2017/05/30

奇妙な会話音

春利は足を止め、耳を澄ました。機械の唸り音とも生き物の声とも分からない音はいったん止んだが再び聞こえた。

わずかな風がこちらに向かって吹いているのだろうか。

それにしても人の姿がない。春利はそのまま帰ろうかとも思ったが、背中のおにぎりをどこかで食べてからにしようと思い直した。

と、音のして来る方の茂みが動くのを感じた。狸とか猫とかかもしれない。確かめてみようと思い、そちらへ向かって歩き出した。

「ワーイーウー・・ワーイーウーエー・・」何か母音だけが尾を引いているようにも聞こえる。

10メートルほど歩いた時、春利は思わず息をのんだ。濃い緑の茂みの中で、緑色の何かが動いていた。ゆっくりと近づいて目を凝らした。

大人ではない。・・緑色の服を着た子供かもしれない・・。2人いるように見える。

さらに近づくと、2人の側に黒い何かの固まりのようなものがあった。

と、突然濃い緑の茂みが大きく揺れ、奇妙な生き物が二つ並んで現れた。

次の瞬間、春利は上空を見上げている自分に気づいた。

上空には、漆黒の物体があった。灰色の雲の下で、コバルトブルーの縁取りが光っていた。

それはひし形をしていた。

春利はおにぎりを食べることを忘れて神社の石段を下りていた。

初めて見た不思議な生き物。緑色の顔につりあがった大きな眼。背丈は1メートル位だったろうか。

あれは、彼らのことば・・・。宇宙服を着ていたのだろうか。

漆黒のスペースクラフト。

「ワーイーウー・・ワーイーウーエー・・」春利にはそんな風に聞こえたが、ほんとうのところは分からない。

何をしにあそこへきたのだろうか?

To Be Continued

Sponsored Links