eye

2017年08月

2017/08/11

訪問者

「沢さんも行ったことがある辺りだと思うわ」

「僕も行ったことがある?」

「ええ。でも私が行ってきたところは、ずっと地下にあたるのかな?」

「で、今そこから?」

「いえ、地上に戻っているわ」

「そこに、誰かいるの?」

「いえ。もういないわ、あのカタは」

「さっぱり分からないけど、僕が行ったことがある所と言ったよね」

「ええ。八ヶ岳山麓」

「えっ、八ヶ岳・・」

「沢さんには、お父様の生家に近いわけだけど、以前、マリアさまと」

「あのときは、縄文時代のその辺りだった」

「そうね。沢さんのところに現れた半透明のカタと同じかどうかは曖昧だけど」

「その、半透明のカタがどうしたの?」

「ある日私の部屋へやって来て、アナタに案内して起きたいとこがあると・・」

「それで、八ヶ岳山麓の地下へ?」

「地下と言っても、私には区別がつかないけれど」

「どういう意味?」

「私たちの次元空間と同じ地下なのか、それとも別の次元空間か・・」

「半透明のカタに訊いてみなかったの?」

「そんな余裕がなかったわ。ただ、いつもの地上に戻る、と言われて、
気付いたらここにいて、1時間以上地上を」

「八ヶ岳山麓のどこかを歩き回っていた」

「ええ。そこで、沢さんの思いが伝わってきたわけ」

「じゃあ、続きを話しに来ませんか?」

「そうね」

To Be Continued

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2017/08/18

訪問者

「ミナさんのところを時々訪れる半透明のカタは、心理学者の女性と言っていましたよね」

「ええ、人間でいうとそういうことになるわね」

ミナが春利の住む公団の分譲に着いたのは辺りも暗くなった7時過ぎだった。中3の高校受験が終了したため、
土曜のその時間は空いていた。

「『かれらのせいかつ』というミナさんのあの著書で、地底人にふれているけど、ずっと前から、地底人について追っていたの?」

「地底人、という言葉が適切かどうかは分からないけれど、沢さんには言わなかったけれど、あの本を書き始める前にも、あの女性が私の部屋へ来ていたわ」

「その女性、ソフト帽というかバスケットハットみたいなのを被っていなかった?」

「そういえば、いつも何か帽子のようなものを被っていたけど」

「こんな感じのカタ、かな?」
春利は、メモ用に使っている罫線なしのノートを開き、その後ろ姿をスケッチした。

「後ろ姿ね」

「ええ。僕のところへ現れたときは、後ろ向きで台所の方へ移動して行った」

「じゃあ、正面からは見ていないのね」

「それに、ノートパソコンのスリープ状態の真っ黒な画面上を移動して行き、流しの所でもふり返らないで消えてしまった」

「画面に映って移動して行った後ろ姿が、こんなだったのね」

「そう、下手なスケッチだけど、背は低めで、こんな、ちょっと小太りな感じだった」

「私のところへ現れる時は、正面からだけだけど、似ているように思うわ」

To Be Continued

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