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2014/03/13

父へ

連絡してくれてありがとう。メールを受け取った相手は、間違いなくあなたの息子の春利です。あれこれ考えていて、返事を出すのが遅れてしまいました。僕もお父さんを長いこと探していたのです。籍は違っても、血縁はつながっています。

実は、今週の木曜の午後に日本から上海に帰ったばかりです。それで、あのメールが届いていたので、驚いたのと、タイミングが悪かったと、残念に思いました。

昨年の2月、東日本大震災が起きる前に、会社の上司から言われ、決心して上海勤務になりました。僕も、もうすぐ30になるけど、まだ結婚はしていません。今度、機会をつくって会いたいと思っています。以下に、現在の住所と連絡先を記します。・・


桑田が春利からのメールを読んだのは、新横浜から帰ってすぐだった。何か予感があり、帰りに買ってきた夕食のための食材を冷蔵庫の前に置くと、すぐにパソコンを立ち上げた。

やっぱり春利だった。そうか、2月1日で春利は30歳になるんだ。桑田は窓の外に目を向け、過ぎ去った過去を追った。

涙で視界がぼやけた。すぐにも春利に会いたいと思った。話すことはいっぱいあるが、春利を前にしたら言葉が出てこないかもしれない。

立ち上がって窓の側へ行った。そうか、春利が上海に。桑田は、父が戦争で中国へいったことを思い出した。

UFOだったら上海など瞬時に行かれるだろうに。

それにしても、無事でいてくれてよかった。桑田は深く息を吸って吐き出した。ヒヨドリが梢から飛び立った。

To Be Continued

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