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2014/03/27

武蔵野桜まつり

京都に戻った翌日、ミナは本を読んでいたが、公園に行き、別の世界へ飛んで諏訪大社で二人の女性に会ったことが頭に浮かんでいた。あの公園にも桜の木があった。こちらの方が武蔵野より少し早く咲くのでは。昨日帰った時は暗かったから、通りの桜がどうだったか分からなかった。

昼食を済ますと、ミナは公園に行きたくなった。バッグに読みかけの本を入れた。ゆっくり歩いても、30分はかからない。公園までの道には寒桜もなかったと思う。

公園の見える所まで行くと、白髪で上品な女性高齢者が、孫と思われる男の子の手を引いて中へ入っていくのが見えた。

ミナは少しためらいながら入口まで行った。滑り台に幼児が二人いた。側で立った状態で母親が見守っている。

男の子が祖母の手から離れて馬の遊具にかけよった。「ゆうちゃん、ちょっと待ってね」と男の子を抱き上げて馬にまたがらせた。

ミナは桜の木の方へ向かった。木の下に空いたベンチが並んでいる。半分身体を木の方へ向けてベンチに掛けて見上げた。完全に開いている花が確認できる。12まで数えることが出来た。公園広場の反対側にもソメイヨシノがあった。そちらの木にも咲いていると思われる花が見える。バッグから携帯を取り出し、立ち上がって一番側に咲いている花に焦点を合わせた。

ベンチに座り、撮れた画像を確認する。ボタンを押し、武蔵野桜まつりのパレードを観た。トランペットと小太鼓の音がよみがえる。「ゆうちゃん、良いわねえ」先ほど馬にまたがった男の子がしきりに体をゆすっている。祖母が笑みを浮かべて見守る。

ミナは誰かと結婚して生まれたわが子を想像する。滑り台の幼児は、姉が弟と一緒に小さな階段を上っている。母親の掛け声が聞こえる。ふいに、諏訪大社で来未と春海という二人の女性に会った事を思い出す。地震による大津波で別の世界へ行ったという二人。

「きょうはあの二人に会いに行くつもりなの?」上の方からミナの頭に直接話しかけてくる声がした。

To Be Continued

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