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2014/06/25

上空

「父さん、直接UFOを見てはいないけど、上空から誰かが思いを伝達してきたという経験があるよ。テレパシーって言った方が良いのかな」

日曜日の午前中、立ち上げたままにしておいた春利のパソコンが突然うなりだした。日本にいる父・荘太からのスカイプだった。簡単な朝食を済ませてまもなくだった。

桑田荘太が、スタジアムの上空でそれらしき物体を見たというのだ。春利は上海へ転勤になる前、名古屋にいるときに新横浜の日産スタジアムの周りを歩いたことを思い出した。

「テレパシーが送られてきた?」

「うん、いま話しているこの部屋の外の上空ではないかと思うけど、見上げても何もなかったから、たぶん、防御シェルターみたいなもので物体をカバーしていて、人の目には見えないようにしているんだと思うけど」

「そういうのって、ネットでアダムスキーかな、ビデオで観たことがあるな」

「父さんもそういうの興味あるんだ」

「ある。月の裏側の、スペースシップ内にいた日本人みたいな女性エイリアンとか」

春利は25年も話していなかった父と違和感なく話している。桑田も春利が5歳のときに別れ、ずっと心の奥で探していた春利と会話が弾んでいる。

父・桑田荘太とスカイプで話し終えると、春利は上海に来たミナのことを思い出した。

一週間前、上海カルフール中山公園店の裏にある日本料理店で夕食をすませ、ミナの宿泊しているホテルに送り届けた。別れ際、震災から一年半近くたったから、今度二人で福島の久ノ浜へ行ってみましょう、とミナが言い、春利が頷いた。

To Be Continued

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