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2014/09/08

世界の秘密

午前中の授業を終えたミナは、キャンパス内にあるカフェ・レストランへ行った。学食レストランと言われていてもおしゃれなカフェで、学生・教職員だけでなく一般の人も利用できる。駅に比較的近いこともあり家族連れも来ていた。

ミナはメニューを確認し、学生たちが好む日替わりランチのチキンフィレロースト バーニャソース(500円)に決めた。

セルフサービスなので券売機でチケットを買い、トレーを持って並ぶ。

料理を受け取り、ナイフとフォークをトレイに載せながら顔見知りの学生がいるかと見回したがその時は気づかなかった。

ミナは向かい合わせの二人用の席が複数空いている方へ行った。

テーブルに着き、目を閉じていただきますと心で手を合わせた。
と、突然ある風景がそこに浮かび、見覚えのある高齢男性の姿が現れた。リュックを背にしたそれが沢春利といた人だと気づくのに3秒とかからなかった。直接会ったわけではないが、自分にはそうしたことがある、ともう一人の自分が言う。皆神神社と刻まれた石碑の横に立っているのは沢春利の父だった。皆神山と書かれた提灯も見える。

「早乙女先生!」すぐ側で若い女の子の声がした。

「どなたか待っていますか?」

「いえ、ああ・・」

「先生の英語を受講している渋江カナです」

「ああ、この前メールくれたカナさんね」
生徒数が多いから忘れられたと取られたかもしれないが、授業後に渋江カナが声をかけてくれたことがあったので覚えているというキーワードを口にした。

「偶然ですね。私も先生と同じランチです。すみません」
あまりに親しげに話しかけたことを気遣ったのか申し訳なさそうな顔をしている。

「いえ、いいのよ。どうぞ」

ミナが手でどうぞの合図をすると、渋江カナが料理の載ったトレイを置き向かいに座った。

To Be Continued

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