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2014/09/13

世界の秘密

午後3時半を回ったところだった。4時過ぎに外へ出かけようと春利は思っていた。

パソコンを閉じてテレビを観ようと思ったときだった。唸るような音が入った。スカイプだ、父かな、と思いつつ急いでヘッドフォンを着けた。

画面に映ったのは、早乙女ミナの笑みを浮かべた顔だった。なめらかな落ち着いた声だった。

「えっ、僕の父が長野の皆神山に・・」

「ええ、私のリモートビューイングというか、今週の水曜だったわ。大学のキャンパス内のカフェでお昼を頂く前に、目をつぶった時のことだったんだけど。突然、リュックを背にした沢さんのお父様が現れたんです」

「それが、長野の皆神山だった・・」

「ええ。皆神神社という石碑が見えて、側の提灯には、皆神山と書かれていたわ」

「それで、これは、早乙女さんの部屋から」

「そう。今日はもう授業を終えて帰ってきたところなんです」

春利は、10月最後の土曜だったと思いながらミナの言葉に耳を傾けた。

「沢さんと沢さんのお父様、それに私は、同じ秘密を追いかけている、というか、意識するしないにせよ、そうしているのではないかと・・」

「意識するしないにせよ、同じ秘密を追いかけている・・」

「あるいは、そうさせられているのかもしれないけど」

「というと・・」

「この目に見える世界と見えない世界。この空間と別の空間。人間以外の知的生命体とか死後の世界・・」

「ううむ・・」春利は画面の中央で大きく見開かれたミナの瞳に吸い込まれていきそうになった。

To Be Continued

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