eye

2015/01/06

世界の向こう(賀茂川)

「もう一つ訊いてもいいですか?」

「なに?」

「あなたは、いま、どこに住んでいるんですか?」

「それは、こたえない方がいいだろう」

「知られると、都合がわるい?」

「そう。キミから情報がもれては、我われにとっても、地球人にとってぐあいがわるいこともあるだろう」

「わたしは、あなたはアメリカのあそこではないかと思っていたけれど」

「そうか。しかし、キミのようにわれわれを怖れない人間もめずらしいな。われわれと共通のDNAを、ほかの地球人より持っているのだろう」

「そうですか。少しだけほかの人より違っているかもしれないけれど。やっぱり、あのあたりなのね。そこと、この乗り物か、または母船とを行き来しているのではないかと思っていたけれど」

「キミにはそれが見えるのだろう。否定はしない」

「やっぱり。そろそろね」

「あの、川のあたりでキミを降ろす」

「ありがとう。桜が満開ね。今年はいつもより遅かったから」

「この島のサクラ、うつくしい」

「あなたの星にはないの?」

「ない」

「人がいないところへ」

「もちろん。われわれは、地球人よりずっと遠くまで見えるから。いないところへ降ろす」

「ありがとう。賀茂川沿いなら、どこでも大丈夫だから」

「OK」

To Be Continued

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