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2015/03/18

マリア現る

急な石段を下り、スタジアムの下に広がる新横浜公園に入る。鶴見川の遊水地を利用しての公園で横浜市では一番広いと聞く。

中央広場へ向かう広い通りの脇には花壇が続き、色とりどりのパンジーが咲き乱れている。左手の広いフィールドで男女別れてトラックの周囲を走りバトンを渡している。高校生だろうか、と敏捷な動作を目で追いながら春利は思う。

中央広場を抜け、前方の頭上を走る車の列を眺めながら橋の下へと歩を進める。右手の広場でスケボーの激しい衝撃音が木霊している。左手では中学生くらいだろうか、バスケットボールをやっている。これだと雨の日でも大丈夫だ。第三京浜へとつづく道路の下をうまく利用していると感心する。あたりが少し暗くなるのを感じて西の空に目をやる。太陽は雲間に隠れたが、日没の時間でもある。

犬の散歩に来ていた家族連れが別れの挨拶をしている。家族がつづいて来る先にはドッグランがあるらしい。トイレに立ち寄ってから、一面芝生で被われた草地広場を横切り、広場の外れにある丸い池、そして向こうに見える細長い池の方へ行ってみようと思う。

帰り始める家族とは反対方向へ春利は芝生を踏んで歩く。来未のことが一瞬脳裏に浮かび、しばらくして、今度は目をつむった瞑想顔のミナの姿が浮かぶ。

春利はふと我に返った時、細長い池に近いベンチに横たわっている自分に気づいた。丸い池の鯉の群れを眺め、小さな橋を渡り、どこまでも続く細長い池を見ようとそちらへ向かった。池にいる1羽の白鷺を眺め、水上の鴨の群れを目で追い、広大な公園を巡る舗装された路の芝生側に並ぶ背もたれのないベンチに腰を下ろした。体を横たえ上空を仰ぎ、大きな綿雲が移動して行くのを眺めていて眠ったのだ。辺りは薄暗くなっていたが、スマホで時間を確認すると20分位眠っていただろうか。

もう、その辺りには人影がなかった。そろそろ帰ろうか、と立ち上がろうとした時だった。誰かが呼んでいるような、不思議な感覚にとらわえた。いつかどこかで似たような感覚があったような気がした。はっとして上空を仰いだ。

To Be Continued

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