eye

2015/05/03

カナの行方

「わたし、一人っ子だって言いましたよね。母は私が高校生のときまで税理士事務所に週3、4回勤めていたけど、視力が落ちてきて、あまり使わない方が良いって医師から言われて今は休んでいるけど、働いていたんです。父は・・」

「カナさん、言いたくなければ無理に言わなくても」

「ええ。でも、早乙女先生には知っておいていただいた方が良いと思いますから。父は、私が小学校5年のときに家を出て、今は、大阪の大学で非常勤で工学部の講師をしていると思うけど、それ前は京都の別の大学に勤務していて、教授も3年くらいやっていたと思います。父は、複数の特許を持っているようで、ちょっと変わった人なんですね。別居はしているんですけど、籍はそのままで、収入はあるので、お金は、大丈夫なんです。私がアルバイトをしなくても」

「そうだったの。カナさんのお父様は、きっとその分野で優れた能力を持っている方なんでしょう」

「私は、駄目なんですね」

「いえ、カナさんはその才能を継いでいるのかもしれないわ」

「父は、何か研究したいことがあって、それで一人になりたかったのかもしれないと思っています」

「カナさんは、お父様からそれについて聞いたことがあるの?」

「くわしいことは分からないけれど、エネルギー関係ではないかと」

「えっ・・」ミナは脳裏にある思いが去来したが、唇を噛んで口に出すのをこらえた。ちょうどその時、小さい子の手を引いた親子連れが、一つ置いた向こうのキッズ用のイスがある席に着いた。「おにぎりセット」が良いかな、という父親の声がする。

「早乙女先生、私がエイリアンに連れて行かれたのも、私たちがエイリアンの乗り物に遭遇して、火星の上空まで連れて行かれたのも、ただの偶然ではないかもしれませんね」

「そうね・・」

To Be Continued

Sponsored Links

コメント

非公開コメント