eye

2015/07/17

別な空間

「Seele、ゼーレ」という音が春利の内に聞こえてきた。

「あら、地球からの訪問者ね。ようこそ」

春利は相手に拒否されてはいないんだと思った。意思の伝わって来た女性の方へ目をやると、髪が金色に輝いていた。春利の方の注意力が機能し始めたからなのか、眼も碧いことが分かった。

次に振り返るような視線が春利に向かっているのに気付いた。見返していると、どこか共通なものが伝わって来た。

「あなたは僕のことを知っているの?」春利の心の問いが発せられた。男性と思われる相手のことはまったく分からなかった。

「いえ。同じ国」

「同じ国って?」

「日本」

「あなたは日本からここへ?」春利はそう問いながら、自らがいる場所がどこなのか、という疑問がわき起こった。

「沢さん、ここは金星です」隣りの女性からだった。

「えっ? 金星って・・」

「そう。ここは、地球の隣りの惑星、金星の、地下です」男性の意思だった。

「金星の地下。ど、どうして僕は、ここに・・」

「それは、望んだからです」男性の意思が春利には諭すように感じられた。

「僕が、金星に行きたいと思っていたって」

「沢さん。人は自分が望んでいることに気づいていないこともあります」
隣りの女性にそう言われても、春利には納得できなかった。

To Be Continued

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