eye

2015/09/09

混合種

「私には、部屋の中に円柱形のような装置や、機械が並んでいてコイルみたいなものもあるけど、具体的にどのようなことをするのかは分からないわ」

「やはり、ミナさんにはそこまで見えるんだね」春利はそこまで言ってミナの口元が微妙に動いたのを見てとった。

「すみません。なれなれしい言い方をして」

「いえ、ミナでいいわ」

「じゃあ、これからは、早乙女さんでなくてミナさんと呼んでも良いですか?」

「ええ、その方が身近に感じるわ」春利も口元に笑いを浮かべた。年上で大学の講師ということで、少し緊張する相手であることは否定できなかったが、気が置けない存在になっていることを実感した。

「それにしても谷川良治は、その部屋に行き、その装置のどれかに入るとかしているうちに、時空転移というか瞬間移動のようなことに巻き込まれ、金星へいったというのだろうか」

「私にも、そのテクノロジーのメカニズムは分からないけれど、そうしたことがあったんだと思うわ」

「信じられないけど、何者かに空飛ぶ乗り物に乗せられたんではないとすると、そうでもない限り、金星にいるということはないわけだから」

「そうね。アブダクションのようにして連れて行かれたんだとすると、私にもそうしたイメージのようなものが見えるし、沢さんが半分夢で半分べつの空間で会った時にも、リョウジさんが、『UFOなんか現れんかった』とは・・」

「うむ。『帰りの道で、急にわからんなった』というのはどういうことかなあ・・」

「その部分は沢さんの夢なのか、その装置でリョウジさんが元の所へ帰ってくるつもりだったのか、私には分からないわ」

「僕の夢と別な空間がクロスしているというか、ほんとうにその装置で帰って来られるのか」

「それは、渋江さんに訊いてみないと分からないから、今はペンディングということに」

「そうですね。当時小3の谷川良治だってどこまで分かっていたのかもわからないことだし」

「ええ」

To Be Continued

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