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2015/09/22

混合種

食事中はいったん話が途切れたが、二人の会話は切れることなく続いた。

「早乙女さん、時間は大丈夫ですか?」食後の緑茶を飲み干した時、春利が改まった表情で言った。

「良かったら僕のところへ寄って行きますか。仕事場を兼ねた自宅ですが」

「わたし、母に買い物を頼まれてきたので、今日はこれから2、3軒寄って行くから、この次に寄らせてもらうわ。沢さんも、今度時間を見て京都に遊びにいらして」

「ありがとう。僕も、瞬間移動でも出来れば良いんだけど」

「そうね。出来るようになるかもしれないわ」ミナはそこまで言って、バッグを手に立ちあがった。

横浜駅周辺にも立ち寄ってみたい店があるというので、春利は西口駅前でミナと別れ、地下街から地下鉄へと続く階段を下りて行った。

市営地下鉄ブルーラインに乗った春利の頭の中は、一つの想いで占領されていた。それは、カナの父親の渋江真佐雄という人は、ある時点で彼らの手が加わっているかもしれないということだった。ひょっとすると、谷川良治もカナも、とそこまで行った時、春利の胸は急に重苦しくなった。早乙女さんだって、否、僕も、僕の父も・・。

まさか・・アブダクション、混合種という言葉をしきりに否定していた。妄想だよ、そんなの。

しかし、人間には見えない空間から彼らは何かをしているのかも、という思いが沸き起こってきた。

「きしねこうえん」というアナウンスがドアの側に座っていた春利の耳に届いた。

しまった、乗り越した・・

To Be Continued

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