eye

2016/02/29

八ヶ岳山麓

「いや、その、先ほどのつづきで、ここに別の惑星へ行かれる装置があると、伝えてきたんだ。それで、向こう側へ行って、この円柱形がどうなっているか見ようとしていたところで、人の気配がして、そうしたら春利の声がして」

「じゃあ、まだ中は見てないんだね」

「見てない」

「でも、父さんと僕とにそれを知らせようとしたということは、何か意味があるということだよね」

「そうだな」

「この中の装置で、良治のように、僕と父さんを金星へ送りたいのか、それとも、この秘密の装置がここにあることを知らせたかったのか」

「金星へ連れて行きたいのなら、彼らのテクノロジーで直ぐに行かれると思うが・・」

「あの、空飛ぶ乗り物で?」

「そうさ。春利をこの辺りへ案内したと言っていた、スペースクラフトで」

「じゃあ、父さんに伝えてきたのはやっぱりあのお方、マリア・・。あのときは、今と縄文時代と小学生のときとを行き来したので、僕の意識は普通ではなくなって、判断がとても曖昧になっていたから。でも、今日ここへ来た時、何か見覚えがあるような気がした」

「じゃあ、その時、春利はこの中も見ていたかもしれないな」

「それが、思い出せないけれど、中を見れば思い出すかもしれない」

二人は円柱形の反対側へ回って行った。

「これ、今まで見たこともない物質で出来ているようだけど、父さんには、この装置の開け方を伝えてきた?」

「いや」

「僕の、夢か別の空間かは分からないけれど、カナさんはこの場所への行き方や入り方は伝えて来たけれど、この装置の中へどうやって入るかは伝えて来なかったし、あのお方の乗り物から降りてここへ来たとは思えない気がする」

春利は荘太と並び、直径2メートル近くはあると思われるグレーの円柱形の前に立った。天井まで続いているそれは、太い柱のように見えなくもないが、地球上では見たこともない物質でつくられていることが、それ全体がマシンであることを直感させた。

To Be Continued

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