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2016/04/13

返信も応答も

年末が近づいていた。

春利は来未の姉・梨花と岸根公園で会ってから、ミナといくどかスカイプとメールでやり取りした。

年末年始休みには上京するから、そのときに梨花さんと3人で横浜で会うことが出来る、と言ってきた。ミナは、すでに梨花が横浜へ来ていて春利と会ったことを知っているのではないかと、春利はその対応で感じた。梨花には同じ横浜市内ということで携帯でその旨を伝えた。

ところが、ミナは休みに入ったはずなのに、突然連絡が取れなくなった。ミナも仕事で忙しいのかもしれないと思ったが、それにしてもメールを読むとか着信履歴から、それまでのミナなら何か一言いってくるはずだった。もしかして、何らかの事故で連絡できなくなっているのかもしれない。

小中学校が休みに入り、春利は午前午後と塾生相手の授業をした。午後の授業後、中学生の補講をやった。方程式の立て方が分からないという生徒のためだった。

補講が終わり、外食のため家を出た春利は、梨花に連絡していないことを思い出した。

「ごめん。なぜだか早乙女さんと連絡が取れなくて。今、塾の仕事を終えて表に出たところだけど・・」

「お二人に比べたら私の方が自由時間があるから大丈夫だけど、早乙女さん、何かあったんでしょうか?」

「ええ。約束を破るような人ではないので、僕もそれを心配しているんです」

「これまで伺ったところですと、一般の人とは違う能力を持ってらっしゃるようだから、何かあったのかもしれませんね」

連絡が取れたらまた電話すると言い、春利はすき家に入った。

直ぐに届いたビーフカレーと野菜サラダを口に運んでいると、ふいに渋江カナのことが浮かんできた。夢か別の空間かは明白ではなかったけれど、あの日信濃境駅から良治が金星へジャンプしたと思われる時空装置のある秘密の館へ導かれ、そこで父さんと出会った。フィンランドへ留学したカナさんは、今頃どうしているんだろう。

コップの水を飲み下した時、もしかしたら、カナさんが僕に何かを伝えようとしているのかもしれない、という思いが春利の中で広がっていった。

To Be Continued

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