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2016/05/08

返信も応答も

小中学校が年末年始の休みに入ったが、ミナからは何の連絡も入らなかった。春利は30日まで塾をやり、年明け3日までを休みにした。

30日の中学生の授業を終えて外に出ようとした時、スマホに着信音があった。

「今大丈夫ですか?」

「ええ。年内の授業も先ほど終わり、これから外に出ようと思っていたところです」

「それで、やはり早乙女さんからは」

「そうなんです。何かあったのではと思うけれど。良ければ、これから出てきますか?」梨花は横浜へ来てスタジアムの辺には一度も行ったことがないので行ってみたいという。梨花の所からの方が時間がかかるが、二人とも地下鉄で行かれるからとそうしようということになった。

先に着いた春利は約束通り、出口で待つことにした。冬場は早く日が暮れるといってもまだ2、3時間は大丈夫だろうと春利は空を見上げた。陽は西に向かっていたが、雲も少なくジャンパー姿の春利は殊更寒さを感じなかった。通りからバスロータリーの向こうに眼をやると、ミナと話したことがある新横浜の駅ビルが見える。発車したばかりの新幹線が移動して行く。

「地下鉄があると便利ね」まもなく現れた梨花は周囲を見回して言った。

「そう言えば福島には地下鉄はなかったですね。僕は、たまたま生まれた横浜と仕事で行った名古屋、それに上海にもありましたから」

「東北だと仙台だけかな。都会だと地下に持っていった方が良いというか、生活するうえで必要なんですね。田舎だと地上に建っている建造物も少ないし」

「そうですね。功罪は何とも言えませんが、突発的な事故がなければ、地下鉄も便利ですね。工事費は大変だろうけど」春利は、スタジアムの方向を指さした。

「わたしサッカーは特に好きというわけではないけれど、こちらへ来てスタジアムのことを良く耳にするようになって」

「僕が父に連れられてきた頃は、国際競技場と呼ばれていたけど、その後日産スタジアムになったんですね。隣接する鶴見川の遊水地を利用した新横浜公園は横浜で一番大きい公園らしいです」

「沢さんも良く来ているんですか?」

「新横浜へ来るときには。駅ビルで早乙女さんと話したことがあるけど、公園では不思議というか、非日常的な体験をしています」

「もしかして、そのことと早乙女さんが関係あるのでは」

To Be Continued

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