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2012/04/06

新横浜駅前公園

女の子は猫の頭を撫でつづけようとするが、猫はスルッと体をかわす。逃げて行ってしまうかと思えばそうではなくその辺りを歩き回る。

逃げ去らないのは餌付けされているからかもしれないが、ある時期まで大事に飼われていた猫に違いないと桑田は思う。

「よく肥えていて人懐こい猫ですね」

「お腹が膨れているから子持ちかなと思ったが、ここにいる猫は、雄は去勢手術をしているし雌は不妊手術をしてあるらしいから」

心ある人が身銭を切ってやっているということを桑田も聞いたことがあった。市の方でも、ケースによっては手術代の一部を補助してくれるということも。

「ここには6、7匹いるみたいだけど、いつも来るおばさんは、それぞれ名前を付けているみたいだね」

生活保護受給者住宅に住んでいるという男は桑田の方を見て言った。

「その猫の名前が何か分からないけど、カッちゃんとかトラちゃんとかって呼んでいるのを聞いたことがあるんだ」

「しかし、新しい猫も捨てられたりしないんですかね」

「そうだね。見かけない猫を見たこともあるし、気に入った猫を家に連れ帰って飼っている人もいるらしいから」

桑田には経済的にも身体的にもとてもそうしたゆとりはなかったが、飼い手が見つかるってことは良いことだと思う。


さて、昼の12時を回ったその時間、新横浜で新幹線を降り、ニット帽を被りスタジアムの方へ向かう男がいた。


To Be Continued

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