eye

2016/10/23

新たな遭遇

キャプチャ

「おそれることはない。わたしはあなたを食べはしない」

「イナンナ・・マリアさまが、僕にアフリカを見せるようにと?」

「そうだ。あなたはアフリカへは行ったことがないだろう」

「ないけれど、どうして僕にアフリカを見せるようにと?」

「それは、地球の人間の祖先に関係しているからだ」

「おおむかし、アフリカで別の惑星から来た方により、我われの先祖が金の採掘のためにつくられたという?」

「そうだ。イナンナは、今後のために、あなたにも歴史の流れを知っておいてもらいたいと思っているのだろう。当時と現在ではだいぶ様子も違っているだろうが」

「なぜ僕なんだろう?」

「それは、あなたの祖先にマリアの存在を信じていた人がいたからだろう。さあ、ここが南アフリカ上空だ。地球の時間だと昼過ぎだから、もう少し下へ行けばその様子があなたにもわかるだろう。下から人間には見えないし、レーダーにも捉えられないが」

春利が再び公園の芝生に下ろされた時、辺りは静まり返っていた。周回路に沿ってともる常夜灯を見た時、春利は全身の力が抜け落ちたような状態だった。

広い芝生の広場を横切り、反対側の常夜灯の下まで行った時、春利は思い出したように腕時計の針を見た。時計の針は午後8時過ぎで止まっていた。

惑星ニビルでは、大気と地熱が失われつつあり、それを保全するために金の粒子でシールドする必要があった。それが理にかなった理屈かは不明だったが、春利はどこかで読んだことを思い出した。ニビルと言われている謎の惑星Xから、地球に金を採掘に来た。重力の異なる地球での採掘作業に耐えられなかったETたちのために、作業員としての人間を地上で創造した。彼らの遺伝子と地上の生き物との間で。・・

車は一台も走っていなかったが、春利は青信号になるのを待って車道を渡った。自分の感情とは別に、敷かれている一つのレールを進んでいる己を見る思いがした。

To Be Continued


Sponsored Links

コメント

非公開コメント