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2017/01/11

新たな遭遇

風呂から上がり、翌日の授業の準備を始めた春利の脳裏に、一つの疑問がわき上がって来た。それは、父と電話で話している間に浮かんだ疑問だったが、話が展開するうちに忘れたことだった。

谷川良治が小学2年のときに行方不明になり、20年以上も経ってから金星の地下にいることが分かったが、良治の両親はいったいどうしているのだろうか、ということだった。

春利は目をつぶり、そのことを知りたいと念じた。しかし、何も浮かんで来なかった。良治が行方不明になった当初、両親は捜索願を出したりいろいろしただろうが、長い間良治の伯父である渋江真佐雄氏が事実を伝えていないことはないだろうと思った。

それについてはミナに訊くしかないと思い、春利は早速メールを送った。ミナも大学の授業ばかりでなくいろいろ多忙なことがそれまでの経緯で想像がついたから、電話やラインはしないで待つことにした。

「遅れてごめん・・」から始まる返信が来たのは、2週間後の夜だった。

読み終えた春利の脳裏にさまざまなことが浮かんできた。良治の両親は、良治が行方不明になって数年後、アメリカのニュージャージー州に移住したというのだ。そして、現在は良治と会ったり連絡を取り合っているという。ミナは、リモートビューイングで分からなかったことは、フィンランドに留学中のいとこ・カナにメールで訊いたという。

それにしても、ここ数年の間に自らの周辺で起こっていることが、春利にはどれも衝撃的に思われる。不思議な空間で良治と出会い、小学生のときに行方不明になった良治が金星の地下にいたこと。良治の伯父がエネルギーの研究者で、春利の父の郷里に近い所に時空装置のある別荘を持っていたこと。良治がその別荘へ幼い頃から行っていたであろうこと。良治は、ミナの教え子であるカナと従兄妹だったこと。

さらに、自らの周辺に現れる空飛ぶ物体やETたち。5年前までは想像もできなかったことが起こっている。ふり返ってみると、それらの始まりは来未の死に行き当たる。2011年3月11日。そこから始まったのだと。・・

To Be Continued

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