eye

2012/05/03

日産スタジアム

手をつないでいるのは誰だろうか。

見上げた時、手は離れ数メートル先に一人の男が立っていた。
初めて見る人のようでもあり、親せきの人のようにも会社の上司のようにも思われた。

「どうしたんだ?」相手の男が目で言っている。

「大丈夫だよ」応えつつ、心で死んでなんかいないよ、と訴えている。

「もう、遠くへ行かないで」

「ああ、ずっとそばにいるよ。悪かったな」

「人が多いから、しっかり手をつないで離れるんじゃないぞ」

確かにそう言ったのに、男の姿が見えない。

「人生とは、そんなものさ」見知らぬ男がそう言って側を通り過ぎた。
「そうよね、そんなもんかもね」女が男と手をつないで去っていく。

どうしてなんだ・・

下の方から底冷えが上がって来るのを感じた。目覚めた時、風が頬をこすっていた。
「いけねえ、こんなところで長居をしたら風邪をひいてしまう」

陽は雲間に隠れたようだった。

途中で外してバッグにしまったマフラーを取り出して首に巻き、ニット帽を深くかぶり直すと男は石段から立ち上がった。
夜中の12時前には名古屋に戻るべきか迷った。


To Be Continued

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