eye

2017/03/28

テレパシー (Telepathy)

ベンチを後にした春利は、マシンが消えた空の方を見つめながら、常夜灯で照らされた人工池の横から草地広場を横切って行った。

谷川良治の意思が伝わって来たマシンは、三角形のエイのような格好だった。雲のある夜空に春利が姿を確認できたのは、黒い機体の周りがブルーの光線で縁どられていたからだった。

「それにしても、良治はどのようなテクノロジーを学んだのだろう」春利が内心で呟いた時、ジャンパーのポケットで着信音がした。

「沢さん。どうでした?」

「えっ? ミナさんの声だけど、ミナさんですか・・」

「はい、ミナです」

「どうでしたって、ミナさん、やっぱり・・」

「ええ。今回に関しては、タニカワリョウジさんが、上空に現れることが分かっていたわ」

「じゃあ、僕は今、公園の外に出る道を歩いているけれど、きのう、ミナさんの声でメッセージを送って来た相手が誰か、知っていたんですね」

「はい。私がコメントしない方が良いと思ったから。直接の方が」

「そうだったんですね。それにしても、谷川良治が、あんなマシンで現れるなんて。彼は、ほんとうは、僕のような人間じゃなくて、人の姿をしたヒューマノイドかハイブリッドかもしれないなんて思ったりしてるんです」

「ほんとうのところ私にも分からないわ。伯父の渋江さんだって、人間の科学では推測できないものを持っているかもしれない」

「フィンランド留学中の、娘さんのカナさんだって・・」

「かもしれないわ。それで、沢さんの上空に現れたのね」

「ええ。雲の向こうから現れて、マシンも見せてくれたけど、夢をみているような感じですね。良治がETだというのなら分かるような気がするけど、僕の中では、金星で彼に遭ったことも夢のようだから」

「ええ」

To Be Continued

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