eye

2017/07/31

訪問者

『かれらのせいかつ』

春利は読みかけの本を伏せ、目を瞑った。

彼らは広大な宇宙ばかりでなく、人間が暮らしている地球の地下深くでも暮らしている。
我われの太陽系に関係するエリアにも、知らされていないだけでかなりの数の知的生命体が存在する。

会っている時も電話やメールでも、これまでミナは地球の地下で暮らしているヒューマノイドにはふれなかった。

一口に、ETとかヒューマノイドとか知的生命体といっても、この広大な宇宙にはさまざまな種類が存在するに違いない。
それが、次元が幾重にも重なっていて、それぞれの空間にそれぞれの生き物がいるとしたら・・。
仮に11次元だとしても。26次元だったらなおさら。

と、その時、横長のテーブルの上に伏せた本の傍らのスマホに着信のサインがあった。

「沢さん、先ほど私を呼ばなかった?」
ラインにメッセージが入ったのは、ミナだった。

「あっ、早乙女さん、僕の心がもう分かってしまったんですね」

「当っていたの?」

「じゃあ、僕が訊きたかったことも分かっているんだろうか?」

「不思議な誰かが、沢さんのとこに現れたこと?」

「やっぱり知っていたんだね。それが、早乙女さんの著書を読んでいたところなので、驚きですよ」

「そうだったのね。訊いてみないとそこまでは分からないけれど、私のところにときどき現れるカタかも」

「あの、半透明みたいだったけど」

「ええ。地球の内部に住んでいる彼らは、一般には地上の人にはあまりかかわりたくないようだけど」

「じゃあ、何かわけでも?」

「彼女は心理学者のような存在で、人に興味を持っているようなのね」

「そうなんだ」

「ところで、時間的に大丈夫なの?」

「合格発表も済んで、だいたい希望のところに合格できて一段落で、早乙女さんの本を読む時間が出来たわけ」

「あそう、良かったわ」

「それで、ミナさん。今はどこに?」

To Be Continued

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