eye

2012/06/21

夢か啓示

31日の夕方会津若松へ帰省した来未からメールが入った。

春利は新幹線で名古屋へ向かう車内でそれを確認した。

内容から、来未は家族団らんを楽しんでいるようだった。一人っ子でほとんど母子家庭で育った春利は、自らに与えられた環境を受け入れていた。というより、中学、高校と学年が進んでいくに従い、どこか摂理のようなものを感じていた。就職して母が病死した後はとてもさみしかったが、それが自らに与えられた道なら受け入れて強く生きて行こうと思った。

だから、元気でやっている。僕のことは心配しないで家族の団らんを楽しんでくるように、メールありがとう、と来未に返信することが出来た。

年が明けて2日目、春利はスーパーにおせち料理のセットを買いに行った。帰ってきてテレビで歌番組を観た後、パソコンでネットサーフィンを始めた。いつしかアパートの外は日が陰っていた。

春利はふと意識が遠のいていくようになり、マウスに当てていた指先から力が抜けていた。

ソファに掛けた状態でしばらくまどろんだのだろうか。

パソコンの画面には、マリアの像が大きく映し出されていた。

あれ、どうしたんだろう? 春利は、日頃これといってマリア信仰を実践しているわけではなかった。

知らぬ間にクリックしたのだろうか。画面のマリアは春利を見つめていた。深い眼差しだと春利は思った。

マ、マリアさま・・春利は心でつぶやいた。内から言いあらわしようのない感情がわき上がってきた。

マリヤさま、と春利は思わず声に出して言おうとした。

と、マリヤの二つの目の端から涙がこぼれて頬を伝って落ちた。


To Be Continued

Sponsored Links

コメント

非公開コメント