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eye

2018/07/03

帰還

「父さん、電気カミソリとか歯磨きある?」

「あるよ。トイレにも這っていってるけど、ここへ持ってこようか?」

「立つとまだ目が回る感じがするけど、ちょっと肩をかしてもらえば。
だいぶ治まって来たから」

「そうか。無理しなくていいんだよ」

「うん。でも、少しずつ慣らしていかなくては」

春利は荘太に付き添われて洗面所へ行った。

荘太はすぐにダイニングの椅子をもっていった。

椅子に腰かけた春利は先に歯磨きを始めた。

「父さん、塾の生徒たちにはまだ言ってないよね」

「言ってないよ。以前勤めていた上海で、どうしてもやらなければならないことがあって、
と言ってある。だから、めまいも止まり、授業が出来るようになるまでは、
後輩の先生たちにも言わないでほしいとお願いしてあるから」

「安心した。父さん、これこそカルチャアショックだよ」

「そうだろうな。俺だったらショック死していたかも・・」
髭剃りの音が響く。

「父さん、あの星は、人間が住み続けるには大変だと思う」
顔を拭きながら春利。

「・・・」

「地上では紫外線が強くて、宇宙服を脱げないし。以前連れて行かれた人は、
それで亡くなったらしい」

「以前連れて行かれた人がいた・・」

「そう。地球で言う太陽が二つあるから」

To Be Continued

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