eye

2012/07/03

夢か啓示

「パソコン画面にマリアさまが・・。沢さんは、お父さんがキリスト教だとか言っていなかった?」

「うん、神学部を出たって聞いたけど、くわしいことは分からない」

「両親が離婚したのは、5歳のとき?」

「父は、僕が5歳になったばかりのころ出て行ったって、叔母さんから聞いたんだけど、神学部を出ているってことは、高校生になって母と進路の話をしたときに聞いたんだ。記憶ではね」

「記憶ではって?」

「それまでにも聞いたかもしれないけど、記憶に残っていないってことさ」

「じゃあ、幼いときに、お父さんからキリスト教の話を、絵本とかで読んでもらったかもしれないわね」

「かもしれない」

「私は、幼稚園がカトリックだったから、マリアさまのこと、分かるような気がするわ」

「そうだったんだ。会津若松で?」

「そう、母が、あそこが良いって言って。家からそんなに遠くはなかったし」

「来未ちゃんは、その頃の記憶ってあるの?」

「ええ、イエス様を抱くマリアさまの立像もあったし、そういう雰囲気の園だったから、特に違和感みたいなものはなかった気がする」

「そうなんだ。僕は保育園で、そういうのって全然なかったから」

「でも、お父さんがそういう学校を出ているってことは、沢さんになんの影響も与えなかったってことはないと思うわ」

春利はなぜか熱いものが胸の奥から突き上げてくるのを感じたが、来未に気づかれないようにと水の入ったコップを口に運んだ。


To Be Continued

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