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eye

2019/04/05

アマツクニ

暗くなる前にミナは羽田行きの飛行機に乗れた。

帰りは八倉比売神社に黒のワゴン車で参拝に来た人が徳島駅まで送ってくれた。夫の運転で夫婦で来たと言っていたが、妻の方が声をかけてくれた。数年前、なぜか東京から転居してきたが、時間が取れたので初めて来たのだという。

「卑弥呼って誰かしら?」
飛行機が離陸した時、妻の方が発した言葉が浮かんできた。黒のワゴン車を運転していた夫は50代に見えたが、妻の方はミナより4、5歳年上だと思われた。神社はいくつか回っているが、このところ卑弥呼のことが気になったという。夫の方はときどき笑みを浮かべて頷いていたが、そのことには特に注釈しなかった。

天照大御神は一人ではなかったということも動画で観たことがあるという。卑弥呼と天照大御神が同一だという前提で話はつづいた。

天孫降臨、という単語は夫の方から発せられた。ミナは相槌を打ちながら次に飛び出す言葉を待った。

イナンナとかETという言葉が出たら、自らの思いを言おうと準備していた。そうこうしていると、徳島駅に着いたので、ミナは心を込めて礼を言い、車を降りた。

卑弥呼が神と言われる存在であったのなら、ずっと以前から存在していたのではないだろうか。人の寿命単位で区切りをつけた方が自然だったかもしれないし、当時247、248年と連続して起きた日食を原因として、太陽神だった卑弥呼がお隠れになったとしてもおかしくない。

つまり、神と呼ばれるETならば、今日存在していても不思議ではない。東夷伝の記述する位置関係から、かつて徳島に邪馬台国があったとしても受け容れられる。

表舞台から姿を消しても、太陽系のどこかに存在している。

と、その時、窓際の席から外を見たミナの視界に、横長の巨大な円柱状の物体が現れた。雲と思えばそう見えなくもないが、半透明で雲とは違う知的なテクノロジーを思わせるものだった。

To Be Continued

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