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eye

2019/04/23

アマツクニ

「何か見えたんですか?」梨花はミナの眼に注視した。

「ええ、窓からとても長い物体が見えたわ。雲の合間に」

「じゃあ、ほかの乗客にも見えたかもしれませんね」春利が神妙な表情で言った。

「でも、あれだと余程注意して、それに、関心がない人の目にはそれだと分からないのではないかと思うわ」

「ミナさん。それは、細長い雲のようだったということですか?それとも何か・・」

「梨花さんは、よく葉巻型UFOと言われる物体を上空に見たことがある?」

「いえ。わたし、それって、もしかしてミナさんだけに見えるような方法を取ったのではないかと思ったんです」

「梨花さんもすごいことを言いますね。ミナさん、どうでした?」

「確かに、雲のようだと言われればそうかもしれないけど、半透明というか、肉眼では見る角度によっては見えないかもしれないわね」

「ということは、やはり、ミナさんだから見えた、というか、先方はそれを想定して現れた」

「その区別は断定できないけれど、私には、人間がつくったマシンではないことが分かったわ」

「ということは、彼らはミナさんが卑弥呼の墓を見に行ったことに関心を持っていることになるかも・・」

「私も、それは卑弥呼に関係がある宇宙船ではないかと」

「梨花さんがいうのは、同じETの種族という意味かな?」

「私も、無関係だとは思わないわ。沢さんは?」

「僕は、これまで自分に起こったさまざまなことを思うと、分からないことが多い」

「たとえば?」梨花は真剣な眼差しで春利を見た。

「ミナさんには分かっているかもしれないけど、これまで僕に起こったさまざまなことは、現実だったのか、そうだとしても、どの種によって起こされて来たのか。同一の種によるものなのか、それとも別々の種によるのか・・」

「沢さん。ほんとうのところ、わたしにも分からないわ。彼らは人間を遥かに超えているから。たとえば、人が彼らに初めて遭遇した時、彼らは自らを“神”と名乗りはしなかったでしょう。後から人間が呼び名を付け、彼らも人間がそう呼んでいると知り、対応するようになった。だから、国と時代により、あるいは地域により、それぞれ呼び名も違っていたと」

「さすがにミナさんは僕より洞察が鋭い。やっぱり、僕らに関与している存在のことは分からない。彼らのふだんいる宇宙や星や次元や、分からないことだらけだな」

「そうね。星の呼び名だって、地球世界の国によっても違うし、彼らが何て呼んでるかも分からないし、第一見えている星だって、ぜんぜん違うんじゃないかしら」

「確かに、人間が見える形の星座も、宇宙を航行している彼らにはまったく違っているだろうね。それに、人間が見えない空間が加わったら、もうお手上げだ」

To Be Continued

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