eye

2013/10/27

深い森

「ああ、向こうから誰かやってくる」

来未は、春海が顔を向けた方を見た。

「ほんとうだ」

二人は鳥居の向こうに現れた男女に目をやった。

来未と春海は深緑におおわれた森の中を若い男女がやってくる方へ身体を移動していた。

「はるみ、ここはどこ?」

「わからない。わたし、来未と短大で一緒だったこと。地震が来たこと。来未と海の中で手をつないでいたことのほか、分からない」

「春海、私も」

「来未、あの二人、私たちのこと気づかないみたい」

「ほんとうに」

若い男女は、二人並んで手水舎(ちょうずや・てみずや)に行き、柄杓(ひしゃく)で手をきよめている。

「わたし・・」

「わたしも・・」

来未と春海はいつかどこかで見たことがあるような情景に思えたが、それ以上は何も分からなかった。


To Be Continued

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