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2013/12/06

上海中山公園

7月も月末になり、春利が上海へ来て丸6カ月が過ぎようとしていた。

上海へ来て、通常の勤務が終わった後にしてきた週2度の中国語レッスンも終わることになる。

その日春利は、飛行機で上海から広東省の広州へ社内での中国語の講師でもある張 虹(チャン ホン)と営業に出かけた。

中国人が経営する有限公司で、自動車の部品を製造していた。春利が先方に勧めたのは、工業用シール剤・接着剤で、先方は部長クラスの者だった。専門の製品案内のため、張 虹(チャン ホン)の中国語の助けはほとんどいらなかった。

商談の後、二人はレストランで遅い昼食をすませ、広州空港から上海に向かった。

「上手くいって良かったね。きっとオーケーをもらえるでしょう」隣りの席の張 虹が流暢な日本語で言った。

「製品の説明が主だったから助かった」春利も日本語で応えた。

「怎么办了?」(どうしたの?)と、しばらくして窓の外に目をやっていた春利に張 虹が言った。

「有点那个」(ちょっとね)

春利の脳裏には、上海中山公園の葉桜の林で来未と会ったことが浮かんでいた。

夢なんかではない。あの時の僕は、アストラル界に入っていたのだろうか。

小さな窓の外は、雲か汚染物質かは定かでなかったが、青空ではなかった。

広州から上海までは1,189キロ。飛行時間は2時間15分くらいだった。


‎To Be Continued


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