eye

2013/12/24

光る物体

土曜日とあって平日より人出が多かったが、日産スタジアムへ向かう通りのように流れにのらないと歩けないほどの混雑とは明らかに違い、拍子抜けしたようなさみしさを覚えた。

桑田はレストハウスの横を通り遊具広場へ向かった。すぐ上の高架道路を走る自動車が目に留まり、そこが鶴見川の遊水地を利用した公園であることを思い出す。高架下を利用したバスケットボール広場も中学生くらいの子供たちでにぎわっている。

高架橋下を横切り、ドッグランを管理する別のレストハウスを右に見て舗装された道路を巡ると遊具広場だった。

幼かった春利の手を引いて来た頃、日産スタジアムが国際競技場と呼ばれていた当時は、その辺りが広大な公園になっていることを桑田は知らなかった。遊具広場もだいぶ後になって造られたに違いない。

鉄棒には30代と思われる女性が苦しそうにぶら下がり、側で幼い女の子が見上げている。桑田は公園内を巡る道路の脇にあるベンチに腰を下ろし、鉄棒の空くのを待った。

先に鉄棒でぶら下がり、次に背筋を伸ばす丸いポチポチの付いたベンチで背筋を反らし、それから公園の外周をウォーキングしようと思った。

鉄棒はすぐに空いた。母親は買い物をして夕食の準備にかからなければならない。まだ居たいという娘の手を引き、そうしたことを言っている。

「さあ、暗くなる前に帰るよ」
ぶら下がりを終えた桑田がベンチへ行った時、ネットクライミングをよじ登っている男の子や女の子を見上げて母親の声が飛んだ。

ちびっこ滑り台や砂場にも幼児がいたが、その日もネットクライミングに群がっている子が多かった。

ちびっこ連れの家族が次つぎと広場を後にし始めた時、桑田はテニスコートとネットが張られた野球場の間を抜ける舗装された道路を歩き始めた。向こうからジョギングでやってくる十数人の集団がコーナーを回って桑田の方に向かって走ってくる。路幅が広いので少し移動すれば彼らのコースを邪魔することはない。

彼らとすれ違い、今度は後ろからインラインスケートで両手にスキーポールを持った背の高い男が猛スピードでやって来た。外国人の若者だった。夏場にクロスカントリースキーの練習でもしているのだろうか。

コーナーを巡り、細長い大池のある辺りまで行った時、スタジアムの方からいっせいに歓声が響き渡った。何を言っているかは分からないが、マイクで叫ぶ声がする。しばらくして、バンド演奏とヴォーカルがスタジアムの上空に響き渡る。

To Be Continued

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